秋色の北海道

9月29日(土)

 東京の曇り空を逃れるように我々は北の大地に向かった。目指すは釧路。米国の事件があってから相当の混雑を覚悟して出かけたが、時間が早いせいもあっただろうが、羽田はそう混乱をすることもなく通過した。ただ順さんが長年愛用してきたカード型のボールペンやナイフ・メジャー等がセットになったものが、これまで難無く通過していたのだけれども、チェックのところで引っかかった。飛行機も大幅に遅れることなく出発。もっとも我々の飛行機の乗客のほとんどが団体観光客のようなので、集合時間もかなりしっかり守られていたからだろう。ほかの便ではかなりの遅れの出ているものもあった。飛行機はしっかり事前にこなければならないと言うことをどうして忘れているのだろう、他の人は。

 我々の飛行機は日本エアシステムJD131便釧路行き。滑走路の順番待ちも5機くらいで、飛び立つとすぐ眼下に霞ヶ浦が見えてきて、後は海上に出た。飛行機は定刻を少し遅れただけの、9時35分無事に釧路空港に着いた。釧路空港から阿寒湖を一気に目指す。今日は鶴公園も、釧路湿原も寄り道無しだ。木々はほんのりと色づいている状態だ。北海道には紅葉(もみじ)はなく、赤があるとすれば楓(かえで)とナナカマドだということだが、残念ながら本州の燃えるような赤というのは少ない。最初の観光地というか、我々のツアー予定表に記載されている場所は「滝見橋」と言うところだったが、車窓見学だったせいもあろうかと思うが、どうということもないところだった(10時54分)。阿寒湖の見学時間は30分(10時55分〜11時30分)くらいだったので、観光船にも乗れるほどの時間はなかったが、阿寒湖のあたりの紅葉はまだまだと言うところだった。我々は湖畔の数少ない紅葉の木をバックに写真を撮った後、土産物屋を冷やかしただけ。順さんはマリモキティーを買おうかだいぶ迷っていたのだけれども、結局買わずじまい。

 バスはそこからウトロを目指す。次に訪れたのが、双湖台。ここもまだ紅葉には少し速いが、阿寒横断道路の途中にあるからいつもバスの中からちらっと見るそれだけの、ペンケトーとパンケトーをじっくりと味わうことができた。じっくりとは、則は30年以上前に見ただけだし、順さんなどは初めてだったから、結構感激していたようだった(11時45分〜12時5分)。

 そこから阿寒湖横断道路を通って摩周湖方面へ抜ける。摩周湖を見る前に、弟子屈観光センターというこの前子宝旅館という変わった名前の旅館に泊まったときにも立ち寄ったドライブインというか大型土産物店で、鮭のチャンチャン焼きの昼食をとる(12時40分〜13時30分)。そこから摩周湖はすぐだ。摩周湖はこの前来たときに初めて見えなかった。もっともその時は霧の摩周湖と言うよりは、雪雲の摩周湖だったわけだが、今日はいつものようにしっかりと見えた(13時45分〜14時10分)。いつも我々の訪れるときにたくさんいる観光バスも5台くらいしかいなかった。あとから修学旅行のバスがやってきたが、聞けば今が北海道の修学旅行シーズンなのだそうだ。

 そこから道道やらたぶん広域農道だろうところを通り抜けるなどして、標津の少し手前で海岸線へでる。目の前に国後島が黒く見える。これまでも何度も見た国後島だが、今日はうっすらとではなく黒くそこにあった。標津のニコライ堂というドライブインでトイレ休憩(3時35分〜4時)。

 そこからバスはさらに海岸線を羅臼まで走り、知床横断道路にはいる。知床横断道路に入ると様相は一変した。山々がきれいに紅葉している。今が真っ盛りと言うくらいだ。残念ながらあたりが少し暗くなってきてしまったが、それでも知床峠(5時〜5時20分)では国後も遠望できたし、直前に迫る紅葉に染まった羅臼岳を堪能することはできた。ウトロ温泉のホテル知床という宿に17時40分到着。最初に風呂へ入り、夕食。夕食はバイキングだったが、種類も豊富で堪能できた。9時少し過ぎに疲れて寝てしまった。


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