未明から降り出した雨が、時より強くコテージの屋根をたたいている。かなりの雨脚だ。早朝サイクリングを予定していたが、あいにくの雨で断念だ。朝ご飯を食べに一旦車でホテル本館へ。バイキングで、今日は昼が遅めなので少し多めにという添乗員の指示に従った。おかげでコテージに戻るとしばし動けなくなる。
出発の時間になっても雨は止む気配がない。最初に昆布館というドライブインに行く。ここには昆布博物館というものが付属しているが、ドライブイン付属と言うけれども、決しておざなりではない展示。それでもまだ雨は止まない。大沼公園へ程なくして到着。雨脚はさらに強まった感じもする。ヤッケと傘をさしての散策となる。ここは比較的北海道というよりも、もっと繊細な感じのするところだ。帰路、蒸気機関車の汽笛の音がするので、急いでそちらへ向かったが、煙のみ。しかし幸いなことに、このころになり、雨脚が少し弱まってきた感じ。(写真は大沼公園の散策スナップ。ヤッケに傘という出で立ちだ。このころが一番雨脚が強かった。)
大沼公園からは噴火湾をぐるっと回る形で、バスは海岸線を走る。このころになると雨は明らかに小降りになり、そしてやんできた。天気予報は正しかった。そして出発時間を遅らせた添乗員の効果を(そのつもりで遅らせたわけではないが)称賛したい。バスはやがて森町にはいる。
森町にある青葉ヶ丘公園は、地元民が楽しんでいる隠れた桜の名所。あらかじめ殆ど見頃はすぎているというコメントだったが、どうしてどうして、まだソメイヨシノが葉桜状態になりつつあったものの、鑑賞に堪えうる状態だった。折からの風で、芝の上は桜の花びらが敷き詰められ、時に文字通りの桜吹雪が舞う。これが今回の桜の名所巡りツァーの締めくくりとなったが、期待していなかっただけに、うれしい誤算となった。(写真は桜吹雪舞う公園。既に芝生は桜の絨毯であり、写真では定かではないが、気のところに見える白い点は桜吹雪の花びら。)
森を後にして、バスは長万部にむかって走る。長万部の少し手前のドライブインで、かに雑炊を食べる。しかしながら、朝ご飯の量が効いて、あまり進まなかった。長万部からは山越えだ。山越えの道を進むと、突然羊蹄山が顔を出した。バスの中では拍手が起きた。それほど突然でありかつ雄大な姿であった。
峠近くのサイロ展望台という、洞爺湖を一望できるところでまた記念写真。これで3回目。ずいぶんと記念写真を多く撮るツァーだ(最終的に4回撮った)。我々は記念写真は必ず買うことにしている。だいたい写真屋は一番いいところを独占的に利用しているから、そしてそれは売り物だから、最高の景色を写しこんでくれる。(写真はその展望台から。遠くに昭和新山などが見える。湖面に浮かぶのは島。洞爺湖温泉はこの反対側にある。)
サイロ展望台から洞爺湖は間近であったが、やはり連休中と言うこともあり、この旅で唯一の渋滞を味わった。それでも早い宿入りとなり、ゆっくり温泉に入り食事時間を待った。夜は花火大会があった。ここのはシーズン中延々と続くものではあるが、湖畔に並んだホテルからすべて見えるように、湖面を異動しながらの20分くらいのショーであった。湖面からの打ち上げ花火は、湖面すれすれの花火などもありまた趣があった。(花火の写真。船の上から打ち上げられているのが分かる。左に見えるのが鑑賞船。打ち上げが湖面を左から右へ移る毎に鑑賞船も進んでいく。)