木幡の旗祭り 概略紹介
歴史の教科書で必ず習う前九年の役。簡単に言ってしまえば、その頃東北地方を支配していた蝦夷軍を朝廷軍が破った戦い。見方を変えれば蝦夷地を朝廷軍が侵略占領を確かな物にしたと言うことだろうか。
この戦い、朝廷から遣わされた源氏方は初め劣勢であった。
その頃のエピソードの一つに、敗走する朝廷軍が木幡山に立て籠もったが、夜のうちに降雪があり白色になった木幡山を源氏の白旗と勘違いして、大軍と錯誤し、蝦夷軍は退却したというものがある。ただし、日本語版Wikipediaによれば、そうした史実はないという。
このエピソードを下敷きにしたのが、木幡の幡祭り。奥州安倍氏の滅亡が1062年であるから、二本松市のウェブ解説にあるように、「木幡の幡祭り」は950年の歴史と伝統を誇る祭りということになる。
「日本三大旗祭り」の一つといわれ、2004年2月16日に重要無形民俗文化財となった。
さて実際の祭りはというと、現在は五色の旗も、やはり「信夫文知摺(しのぶもちずり)」に代表される養蚕の影響があるだろう、明治以前は白い旗一色であったという。また現在は旗は絹ではなく木綿であり、その文だいぶ旗は重くなっている。
それから修験道の影響も見て取れる。総大将を筆頭にその出で立ちは山伏のそれに酷似している。また、権立(ごんだて)や胎内くぐりも修験道の影響と見ることもできるだろう。とにかく、旗について一部始終を見ようとすれば、軽い気持ちでは参加できない祭りであった。
日本三大旗祭りとは・・・
日本三大旗祭りとは、(1)青森県の岩木山の神賑祭・(2)福島県二本松市の木幡の幡祭り・(3)長野県別所温泉の岳の幟の3つ。
木幡の旗祭りは「重要無形民俗文化財」に、別所温泉の岳の幟は「選択無形民俗文化財」に指定されている。