2010年10月17日(日)
2-1 朝
朝はどうしたって早く目が覚める。風呂は6時なので、それまではゴロゴロしているしかない。junは風呂に行きたがらなかったが、noriはひげを剃る手前、どうしても行かなければならなかった。
風呂をあがっても朝食までには時間があった。そこで、いっぱいにならないとも限らないので、地の利を生かして館山駅まで不要なものをコインロッカーに預けるべく出向いた。コインロッカーはガラガラだった。
だいぶ準備が進んでいて、昨日にはなかったシャトルバスの案内も出ていたり、すでに観光案内所はあいていて、関係者とおぼしき人々が忙しそうに動いていた。駅前には昨日これは準備をしていたが、舞台も完成していた。駅を再び横断するために連絡通路に上がると、テラスを発見した。ここで見ればよくみえるだろうと話し合った。
2-3 里見本陣隊のロータリー入り
junさん曰く、祭りは待つもの・・・ではあるが、やはり時間の流れがよどんでいるようにも見える。10時過ぎると、JRバスが駅前から待避を始めた。東口は使えないので、西口が臨時のバス乗り場になるからだ。とはいえ、11時から駅前ロータリーの交通規制が始まるので、それまではじっと我慢の子でいるしかない・・・と思っていると、11時少し前突如として駅前大通方向から白装束の一団が現れる。日枝神社(竹原地区)の御輿の先達たちだった。それを見ていると、御輿がやってきた。ロータリーは急遽車閉め出した。
日枝神社の御輿は右左と大きく揺らいで、ロータリーに侵入してきた。この後もそうだが、それぞれの御輿や山車によっていろいろと微妙にパフォーマンスが違う。担ぎ手達の頭にはピンク色の鉢巻きが巻かれていた。
続いて神明神社(笠名地区)の御輿が入ってきた。鉢巻きの色は明るいオレンジだ。この御輿のパフォーマンスは御輿を上に放り投げることだ。それも数度続けて行う。
続いて白木の作りのやや大きい御瀧神社(大賀地区)の御輿がやってきた。鉢巻きはピンクを基調にした絞り模様だ。
その次に新たに入ってきたのは豆絞りの手ぬぐいを鉢巻きに巻いた神明神社(神真倉地区)の白木の御輿とピンクのタオル地を鉢巻きに巻いた日枝神社(青柳地区)の二体だ。二つの御輿は並んでロータリーに近づき、先に日枝神社(青柳地区)がロータリーに入った。その後も二つの御輿は並んでパフォーマンスを繰り広げるなどした。これには何かいわれがあるのだろうか。ちなみに両方とも、初代後藤利兵衛橘義光の作だと言うことだ。
次は黄色の鉢巻きを巻いた熊野神社(宮城地区)の白木の御輿。
続いては赤の鉢巻きの担ぎ手による館山神社(上須賀)の御輿。
もうロータリーは御輿で埋まった。
御輿がロータリーに入り終わると次は御船が入ってきた。最初に入ってきたのは明神丸という諏訪神社(新井地区)のもの。この船はロータリーに入ると、何回もその場で回転するというパフォーマンスを見せてくれた。引き手などの半被の背中にあらいと地区名が赤く入っている、
続いて入ってきたのは、諏訪神社(上町地区)の山車。山車には人形が乗っていて、停車するとそれが中央からせり出す。人形は国常立尊(くにのとこたちのみこと)。半纏が藍で薄く染められている。
次は諏訪神社(仲町地区)の山車。人形は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)。ここの出で立ちは藍そのものの色の装束。
厳島神社(楠見地区)の山車が次に入ってきた。人形は仁徳天皇。ここの鉢巻は黄色。
次は、國司神社(柏崎地区)の御船、國司丸。
最後にやってきたのが、長須賀熊野神社(長須賀地区)の屋台。
2-4 ロータリーセレモニー(里見本陣隊)
ロータリーの中から山車や御輿が除かれ、セレモニーの準備が整った。
一番バッターは地元のよさこいソーランのグループ。なんだか悪ガキが大人になった集団のように思えた。あまりうまいというものではなかったが華やかさはあった。
次に飛び入りというか、終わったばかりの国体がらみで、なんと地元の千葉県立安房高等学校剣道部(男子)が、「全国高校県道選抜大会」「全国高校総体(インターハイ)」「国民体育大会千葉夢国体少年男子の部」の三冠を達成したことを祝ったセレモニーがあった。この三冠は史上初とのことで、賞賛されるべき偉業といえるらしい。女子も国体ではよい成績を収めたらしい。
続いて来賓の挨拶。それから武者姿などに扮したお歴々の挨拶。
そして地元の和太鼓のグループによる演奏。女性だけだったがなかなか迫力があった。それに併せて居合いというか、剣舞のようなものも披露された。
最後に12時23分、城主の出陣の号令とともに行進がスタートした。行進の先頭は地元の二つの中学校のブラスバンドの生徒。長々と待たされた割には、たいした紹介もされぬまま、隊列の先頭を切って行進し始めた。
続いて舞台がそれを追いかける。自衛隊が扮している槍の部隊。女子の部隊。八犬士などが続く。
そして手作りの甲冑(ボール紙などで作ってあるらしい)に身を固めた市民のグループが進む。これがどうしてどうして、結構圧巻であった。
それらがすむと、再び御輿や山車がさらにその後を追う。こうしていったんローリーが静かになり、観客が少し引いた。
2-5 八幡大明神隊を少し見てから城山公園に急ぐ
諏訪神社(新井地区)の御船を最後にロータリーがいったん静かになったが、そこに現れたのが諏訪神社(堂の下地区)の山車。これは山車の形、すなわち人形(仁徳天皇)がせり出してくるものだが、形は御船とよく似ている。13時23分ロータリー内に進んできた。
二番手は諏訪神社(根岸地区)の屋台。
三番手は、補陀落山那古寺(東藤地区)の山車。人形は太閤秀吉。
次に同じく補陀落山那古寺(芝崎地区)の山車。人形は天照大神。ここは氏子は衣装全体が黄色の記事を使っていて、かなり目立った。
この後本当は、後五つの山車などがくる予定だが、城山公園の戦国合戦絵巻を是非に見たいので、シャトルバスを使って城山公園に移動することにした。トイレを使ってから、シャトルバス乗り場に急いだ。我々は席を確保できたが、一緒には座ることができなかった。シャトルバスは迂回しながら、城山公園の一つ先のバス停付近の本屋の駐車場に入った。そこからは徒歩になった。
2-6 城山公園
城山公園に到着すると、すでに芝生の公園の周りは人垣ができていて、大勢が集まっていた。場面は、御輿が入ってきている最中であった。御輿は芝生の道路側から城を望む方に整列させられる。この御輿は最後に披露されるが、それを見ている時間はないと思うので、駅前で見たにもかかわらず、またカメラのシャッターを何度も切ってしまう。駅前の裃をつけたような動きからすると、御神酒も入っているだろうしいい加減疲れているので、整列がなかなかできない。アナウンスが、何度も流れるがどこ吹く風で練り歩いている。
それでも定位置に収まると、また駅前で見たよさこいソーランの一団の乱舞。今回は正調のよさこいソーランも流れて、駅前よりは見応えがあった。
それからようやく里見本陣隊の到着となった。最初に鉄砲隊の入場。駅前には確か彼らはいなかったはず。ここで初めて登場してきた。それから自衛隊扮する槍の部隊、同じく槍を持った女子のきらびやかな衣装の面々(どうやら公募だったようで各地から集まり外国の女の子もいた)が続いた。そのあとにどっと手作り甲冑隊が御輿の並んだ前に並んだ。そして里見の何代かの当主の登場。
それから鉄砲隊が火縄銃を実際に撃つ場面となった。迫力があり、発射されるたびに「おぅ!」という声が観客から上がった。最後に伏姫と八犬士の登場。八犬士は一人ずつ紹介され、持っている武具で決めのポーズをとる。
それが終わるといよいよクライマックスというか、メインイベントの戦国合戦絵巻の場面となる。敵方は北条方。合戦は引き分けの形で終わるが、結果的には敵を撃退したと言うことになり、勝ちどきを上げる。このときに二門あった大筒が発射された。
終わると手作り甲冑隊が退場し、あと入ってきた逆の順に退場し、一大絵巻は大団円となった。
山車の人形が立ち上がった何体かを見ながら、バス停に急いだ。まだ動いている山車や御船があり、それらとすれ違った。
2-7 祭りの余韻を残し東京へ
シャトルバスに並ぶ長蛇の列を見てぞっとしたが、それでも最後の方でようやく乗れて、館山駅へ向かった。館山駅は違法駐車の車があって駅前のロータリーをうまく交わすことがバスができなかった。それが幸いして、駅前で下ろしてくれた。そこで、急いで改札の跨線橋を通り、noriはバスの切符売り場に、junはその近くのコインロッカーに急いだ。
本当は17時30分のバスにする予定だったが、すでに16時に近かったが16時のバスがまだ来ておらず、席はバラバラになるが交換可能と言うことで、交換をしてもらった。バスは程なく到着した。
途中本来は海ほたるで休憩だが、海ほたるが混雑ということで、君津PAでトイレ休憩を一度した。ここはトイレしかなく、土産を買う予定の当てが外れた。地元の人が野菜を売っていて安かったので、それを買った。途中暗くなった。高速はやはり込んでいたが、15分程度の遅れで、18時10分頃東京駅の日本橋口についた。