8月2日(月)
〔黄龍滞在〕曇り一時小雨 黄龍泊
ホテル(0910)−(0915)黄龍入口(0925)−迎賓彩池・飛瀑流輝・蓮台飛瀑・洗身洞瀑布・金沙舗池・盆景池・明鏡倒映池・姿夢映彩池・争艶池・黄龍中寺・黄龍古寺・五彩池−(1550)−(1555)ホテル
【朝】
6時に起きて朝食を軽く摂ってから、歩いて観光地に向かう。
則の状態はよくないが、がんばると言うことなので、行くことにする。教は酸素ボンベを必要とするくらいの高さになるし、一日ずっと歩きづめなので心配だ。
【黄龍】
<入口>
朝早いのにもかかわらず人が多い。手続きを済ませて9時25分入場。すぐに階段を上って行く。周りはうっそうとした森。
しばらく行くと篭屋さんに声をかけられたが、しつこくはない。ガイドさんが夕べ斡旋していたが、上まで400元という事だったが、誰も頼まない。則はどうしようかと思ったが、途中でアクシデントがあった場合、引き返すことも視野に入れてとにかく行ける所まで自力で行くことにした。荷物は一つにまとめて、交代で持つことにした。
ここは、歩いてホテルまで帰れるので、全くの自由行動というのがありがたかった。
<迎賓彩池>
(標高3199m)入口より632m・0940
少し上って行くと、どこかの温泉地の地獄のような様子が広がっていた。黄色みがかった岩、その上を滑るように流れ落ちる水、別世界に来たような印象だ。
するとすぐに目の前にきれいな池が広がってきた。これが迎賓彩池。なるほど文字通り我々を迎えてくれたわけだ。またその色も黄色っぽい褐色だ「黄龍」と呼ばれるゆえんが早くも分かったような気がした。
<飛瀑流輝>
(標高3233m)0945
九寨溝の滝のようなスケールの代わりに、白糸の滝を連想させるような静かな流れだ。
<微波池?>
日本語で書けない文字で、Poll of tiny waves と英語表記されていた。
<蓮台飛瀑>
(標高3267m)入口より943m・0955
またすぐに滝に出会う。こちらは日光の湯滝のように岩の上を滑り落ちるように流れている。水量はそれほどでもないが、それだけに岩の黄色さが際だって見られておもしろい。
<洗身洞瀑布>
(標高3281m)入口より1273m・1003
更に上って行くとまた滝が見られる。ここには小さな穴が開いていて、洗身洞という。この水を飲むと不妊に効果があるというので、そういう女性がよく水を飲みに来るという。ただし、この日そういう人は見かけなかった。下の写真の右下だが、おわかりのように日本語の表記がある。沢山日本人が訪れているという証拠?それとも日本人を呼ぼうという商魂?このおかげで、迷わずに歩くことが出来る。
<金沙舗池>
(標高3281m)
また上りが続く。と、それに沿うように右側に黄色い岩がずっと続いている。この黄色が金色にたとえられるのだろう。名前を金沙舗池という。
<盆景池>
(標高3307m)
また九寨溝と同じ名前が出てきたが、様子も同じ。要するに水の中に盆栽のように木々が残されている所にはこの名前を付けるようだ。
途中に酸素小屋があった。ここで備え付けの酸素を吸うことができる。この施設は充実していて、いくつも見られるので、酸素不足で困ることもない。同じようにトイレの数も多く、随所に設置されているので、そちらの心配もない。則にとっては救いだ。・・・だがこの頃から則はトイレにあまり行かなくなっていた。(下の写真で、左側がその風景。また右側が酸素ステーション。空気を吸う際のチューブだけ買う。つまり別のステーションでそれは使える。)
<明鏡倒映池>
1035〜1045
ここまでの上りはきつかった。とうとう我々は最後になってしまった。ここで一休み。
<姿夢映彩池>
(標高3391m)1052
少し上るとまた池がある。もう疲れもピークに近くなっているので、ほとんど素通り。
この頃になると、狭い道をすごい勢いで駆け抜けていく篭屋が恨めしくなる。
<争艶池>
(標高3400m)1103〜1110
地図で見るとかなり離れた横にあるように見えたのだが、道は1本道で、ここに誘われた。ここはきれいだった。わざわざ寄らせるだけのことはある池だ。写真を撮る元気が出た。しかし、もうほとんど体力は限界状態で、これから先はそれぞれ自分のペースで上り始めたので、則と順は遠く離れてしまった。
<黄龍中寺>
1140〜1150
やっと着いた。ここで二人は合流。まずお参りを済ませた。マニ車がたくさん並んでいたので、その中の一番大きいのを回して今日の無事を祈った。
少し休んでからまた上り始めた。途中のベンチにガイドさんがいたので話しながらまた休憩をとった。やはり我々が最後らしい。早い人はもう昼食をすませたらしいが、まだ時間はたっぷりあるのだから、そう急がなくてもいいのにと思う。
<黄龍古寺>
入口より4126m・1220〜1230
ガイドさんと別れてまた上りはじめ、やっとの事で頂上に着いた。則はかなり苦しいらしく、へたり込むように座ってしまった。何度ももうだめだと思ったらしいが、それでも順より早く着いている。
このお寺のおもしろい所は、正面の額の文字が、見る方向によって変わるということだ。3通り見られる。
少し休んで先へ進む気力が出てきたので、展望台へ上ることにした。
<路傍の花たち>
休みがてらに、ここで道々の脇に咲いていた花々を並べておきたいと思う。
<遊歩道>
入口より4133m・1230〜1325
はじめはかなりの上りだったが、休み休みとうとう上に着いた。ここまでくるとしたのお寺も、その裏の五彩池もよく見える。素晴らしい景色だ。頑張ってっここまで来た甲斐があった。すぐに下りるのはもったいないので、ここのベンチで昼食をとることにした。あれほどいた人がたまに通る程度の数になっていたので、ゆっくりとすることができた。
昼食はホテルで作ってくれたお弁当。といっても則は何も食べず、順だけが少しほおばる。それでも後で則に恨み言を言われた。
そこで、目の前に赤い芥子を見つけた(前掲写真参照)。今回の旅で是非見たかったものの一つなので、感動して写真に撮る。これは、下る際にたくさん見つけた。
<黄龍洞>
1325〜1340
五彩池の周りをぐるっと一周してから、お寺の前に鍾乳洞があると聞いたので、入ってみた。暗くて寒くて、上からは絶えず水が落ちてくるのでかなり濡れてしまった。まあ、鍾乳洞が好きな人だけが入ればいいという程度のものか。
上に出てきてお寺の前で一休み。ここで初めて酸素を吸った。洞窟の中は、結構息苦しかった。元気が出るということだったが、うーんその効果は?
<帰路>
1345〜
則の体力を考えながら帰りはゆっくりと下りることにした。そのせいで、行きには気が付かなかったエーデルワイスを見つける事ができ得した気分になった。そのころになると少し雨が落ちてきたので、休みがてらヤッケを着ていると、則の顔色が悪かったのか心配した通行人(中国人)が酸素ボンベをくれるという。有り難いことだが、こちらも持っていたので丁寧にお断りした。
帰り道は、本当なら下り道を通るのだろうけれど、そちらはおもしろくなさそうなので、上り道を逆流して帰ることにした。ために、上ろうとする中国人と何度も窮屈な思いで狭い木道をすれ違うことになった。でも、本当は篭屋も下り道を通ると解説書には書いてあったのに、結構こちらの道を上り下りしているので、あまり構わないのだろう。すれ違う中国人も別に文句を言うわけでもないし。
そろそろ上ってくる人も少なくなってくるかと期待したのだが、いつまでたってもものすごい人に変わりはない。中にはサンダルで上ってくる人もいて、このバイタリティには圧倒される。下の写真のような格好だ。ついでにした右の写真は、清掃員。こうした人は、実はここ「黄龍」だけでなく「九寨溝」にも沢山配備されていて、文字通り塵一つ無い環境が保たれている。政府の並々ならぬ意気込みを感じる。ただそれでは訪れる側はどうかと言えば、下の写真のように分別収集をするようになっているにもかかわらず、こちらの方はそれこそめちゃくちゃ。こうした努力が始まったばかりなのが伺えた。
<争艶池>
1445〜1450
<盆景池>
(標高3307m)1510
この辺りまでくるとさすがにこれから上ろうという人の数は少なくなってきて、これから先は結構自由に写真を撮ることができるようになった。
ふらふらしながらどうにか出口まで帰ってきたのは15時50分。
そこからホテルまで歩いて5分。いい時間に戻ってくることができた。右の写真は、ふらふらになって帰ってきた則。心持ちか、やせて見える。
【夜】
ホテルへ戻ってから順は則の分までおむすびをペロリと食べてしまった。ものすごくおいしかった。このおむすびは添乗員が作ってくれたもの。今回の旅行社はこういうサービスまでしてくれた。
則はまだ用心してあまり食べなかった。最後の抗生物質を飲んだ。これで効き目がなかったら、もう医者にかかるしかないかという不安を抱いて眠りにつく。
【則裕 18,403歩・順子 15,949歩】