ブルガリア旅行記 トラキア人の墓とマダラの騎士像

5.6月1日(金)1/3 ⑧ネセバル考古学博物館(快晴)

起床(0600)散策(0700~0730)朝食(0730)散策(0805~0830)ホテル発(0900)旧市街(0905~1637)<考古学博物館(0905~1047)旧市街ガイド付き観光(1047~1410)旧市街自由散策(1410~1637)>買い物(1705~1717)ホテル着(1730)宴会(1845~2100頃)就寝(2200頃)

5-1 朝

起床(0600)

 朝起きるといいお天気なので、洗濯物をベランダに出す。やはり室内ではすっきりと乾かない。
 ベランダからは海が見える。下にはプールも見え、なかなかいい目の保養にもなっている。

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5-2 散策(0700~0730)

 気持ちがいいので、少し散歩に行くことにした。ホテルから出ると外は深い霧に包まれていた。やはり海が近いせいか、気温の急激な上昇の結果?
 目的地は、昨日バスから見つけたスーパーマーケット。今夜は夕食が無いので、それを視野に入れてのことだ。が、歩き始めるとなかなか着かない。思ったより遠いのであきらめかけたときようやく見つけた。
 長く感じたが、10分程度だった。朝食の時間も迫っていたので、そこからすぐに引き返した。

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5-3 朝食(0730)

 朝はドリンク類もフリーのビュッフェ。内容的にはあまり面白くない。というか他のところと大差なく、いつもと同じ。
 相変わらずというか、当然のように外人さん達は昼の分までのパンを持ってきてサンドイッチ造りに精を出していた。

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5-4 散策(0805~0830)

 今度は島の方へ向かっていく。
 まだ閑散とした道だったが、いくつかの店は既に開いていた。パン屋さんには行列が出来ていた。朝のパンを買うようなことが書かれている文を見たことがあるが、きっとそれだろう。
 途中の家に、何軒も人の顔写真をかけているのを見かけた。これはこの家の人で亡くなった人だそうだ。偲ぶために毎年写真を換え、10年も続けられるとか。これはこのあとも沢山目にした。
 10分歩いたら戻るということで出かけたが、橋が見えたところでちょうど時間となったので引き返す。

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5-5 旧市街地へ

ホテル発(0900)

 バスで出かけるときに、ホテルのすぐ前にスーパーがあることを耳にした。朝行ったところよりもずっと近い。
 今日はすぐにバスを降りるので自由席となったが、全員揃っても添乗員は来ない。で、勝手に乗り混む。
 まだ橋を渡るときは霧の中だった。

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5-5-1 橋を渡って

 我々のホテルは新市街地区にあるが、せり出した半島の町全体が旧市街となり、中世ビザンチン教会が多数残る。
 この街の歴史も他と同様、紀元前2000年頃に最初の居住者トラキア人が住み、紀元前5世紀頃にギリシア人が入植し、前1世紀からはローマ帝国に、5世紀前後には初期ビザンツ帝国に支配された。この頃から重要な港町として発展していき、第二次ブルガリア帝国時代に繁栄の絶頂期を迎えた。これほど多くの教会が建設されたのは、繁栄に対する感謝の気持ちからだそうだ。
 その後、1453年にオスマン朝に征服された。が、オスマン朝の政策がキリスト教に対して寛容だったためにさまざまな様式の教会が破壊されずに残った。とは言っても完璧な形で残されている物は殆ど無い。
 これも長い歴史を物語っているのだろう。
橋の途中には水車なども見られた。

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5-6 旧市街観光その1 考古学博物館 (0905~1047)

 海に沿って町をぐるりと囲んでいた城壁は町の入口の一角にしか残っていない。海の水位の上昇により当時の町は三割近く水没してしまった。城壁の一部は今も海底に眠っているという。
 最初に門のそばの考古学博物館へ。写真代は4レバ。二人とも支払ったが、他には一人しかいなかった。

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5-6-1 始めの部屋で

 最初の部屋には椅子が並べられ、説明を聞くようになっている。
 目の前には大きな地図。天然の要塞の様子が分かる地図になっている。548年頃に大きな地震があり、津波も押し寄せて城壁などの一部がなくなった。
 トラキア人が住んでいたという記録も残されていた。その頃から海上交易が盛んだったようで、町も栄えた。その前には、海上交易の時に使われた物が置かれていた。
 交易では農作物やワインが中心だったが、蜜蝋も貴重で高いものだった。そのためにギリシアに狙われ征服されたように思われるが、そうではなくギリシア人との契約によって受け渡したのであって、そこに殺戮などはなかったのだとガイドさんは説明した。その契約の石板もあるとのことで、確かに書いてあることは分からないが、30×30cm位の石板があった。
 これによってお互いの文化が融合し、更に発展を遂げたのだという。これはユニオン(=融合)の最初の事例といえる、そうだ。
 ただし、紀元前1世紀のローマには、武力で征服され、町は破壊されたのだという。
 その後、ビザンチン帝国になり、町は再び発展を迎える。その頃からリゾート地として形成され、コンスタンチノープルなどから、人々が保養に訪れるようになったそうだ。
 オスマン帝国が攻め込んできたとき、この街は要塞に守られ最後まで頑張り、ブルガリアでは一番最後に征服されたそうだ。
 その後、近世になって開発のために建設が始まったときに数多くの遺跡が見つかり、そのときの物がここに集められ展示されている。
 他にも周りにはいろいろな発掘品が置かれていた。
 トラキア人の日用品は、細工が細かかった。ギリシア時代のコインもあった。丸いボールのような物は、女性がこの中に香水などを入れて置いていた物だそうだ。壷は、トラキアをとギリシアの文化の融合を見る特徴的な物だそうだ。が、どこを見てそう言うのか分からなかった。
 スポーツをしているような小さな像もあった。
 顔のある石は装飾の一部だそうだ。
 以上がガイドさんの解説だった。が、ブルガリアのオフィシャルサイトには次のように書かれている。
 「第一展示室はメセンブリアとトラキア人というテーマで、トラキア人が作った凸凹した装飾のついた土器、紀元前12~9世紀の石の碇などが紹介されています。更に、紀元前3世紀のトラキア王サダラを褒め称えた文章もあります。展示品の中でテトラドラクマと呼ばれた銀貨のコレクションと紀元前2世紀の墓石があります。」

bulgaria2174 01 1520.jpg巨大ネセバル旧市街マップ
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5-6-2 ギリシアの部屋

 二つ目の部屋にはギリシア時代の物が展示されている。
 壁にある石の破片は墓に使われていた物。大理石の人体は家の中の装飾であった。壷は大きな物から小さな物まで沢山置かれていた。
 金の装飾品もあるがこれらはほぼ純金で、イヤリングやネックレスなどがある。これは発見者がしばらく自分の物としていたが、見つかって没収された物だそうだ。
 壷の形のイヤリングがあったが、この中には香水が入っていたのだとか。
 ここにもコインが並べられていた。
 同じようにブルガリアのオフィシャルサイトから引用。「第二展示室のテーマは「黒海の都市国家メサンブリア」で、メサンブリアの古代墓地で発見された大変珍しい青銅の容器が展示されています。この容器は納骨壷として使われたものでギリシャ神話の場面が刻まれています。アポロン神像、ヘラクレス像の胴体、紀元前4世紀の幸福の女神テュケ像なども展示されています。更に、副葬品として埋められたイヤリング、指輪、ネックレスなどの紀元前3~2世紀の金装飾品もあります。ネセバル付近の海底から見つかった当時の椀などの舶来品によって、紀元前6~2世紀のメサンブリアが行っていた貿易の様子などを知ることができます。」

bulgaria2221 01 1544.jpg展示室の様子
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5-6-3 ローマの部屋

 この部屋にあるのは紀元前1世紀頃からのローマ時代の物。壷の模様は線だけの簡素な物や自然界のモチーフを付けた物などが見られる。皿も同様だ。
 ただこの辺りから、ガイドさんの説明が長すぎて、殆どの人は勝手に部屋の中を動き回るようになり、我が家もその例に漏れずそれぞれが勝手なところの写真を撮り始めたので、どの部屋のどの写真なのか錯綜してしまって良く分からない状態になってしまった。ので、面白そうな写真をとりあえず選び出した。というか、ガイドの説明を添乗員が訳さないのだ。だから、英語をしっかりと聞いていないと、中味的に分からなくなるので、結局語学力が不足していると、内容が分からなくなってしまうので、つまらなくなるのだ。
 例の解説には、こうある。「第三展示室ではクラウディウス帝の銅像の大理石の台が展示されています。展示室のテーマは「ローマ、ビザンチン帝国、ブルガリア王国の一部としてのメセンブリア」です。」

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5-6-4 イコンの部屋

 地下の部屋へ行くと、数多くのイコンが展示されていた。
 一番古い物は13世紀の物で、「聖ニコライ」や「命の母マリア」がそれにあたり、そのほかの多くは17世紀頃に描かれたものだそうだ。かなり保存状態が良い物が多いが、最も良いのはソフィアにあるとか。
 「イコン美術を専門に扱う展示室があります。地元の画家が描き数多くある教会に飾ってあったイコンが250点保存されています。」

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5-6-5 外へ

 見学を終えてからこの街のガイドブックを購入。英語版しかなかったが、それなりに写真があるので参考にはなるだろう。
 外へ出て見ると、霧はすっかり晴れていい天気になっていた。
 既に暑い。今日は気温が上がるとの予報だそうだ。まあ今日は一日歩き回るので、雨が降るよりはいいか。
 この街はさすがに観光地らしく、土産物店がずらりと並んでいた。
 レストランも沢山目に付いた。さすがに海が近いだけあって、シーフードのメニューも多く見られた。その殆どが写真入りのメニュー表を店の前に出して置いてくれるので、夕食のことを考えて、参考までに見て歩いた。

bulgaria2409 01 1635.jpgようやく見学終了
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