学芸会には、どんな作品を?
学芸会は、最近は行事の精選との関わりで、廃止するか、実施しても隔年、または音楽会や展覧会と組み合わせて3年おきというのが大方のようだ。
ただ実施した経験から言うと、子供の表現力や創造力を生かして全員で協力しながら一つの物を仕上げていくということは、子供自身にとっても、充分な達成感を味わえ、成長を促す一手段として大きな物であるように思う。また、役になりきることで、自分とは異なった自分を体験することで、人間としての幅も広がるように思う。
しかし、問題点もないわけではない。
まず第一に、全員が主役という考え方に捕らわれるあまり、主役がはっきりしない(させられない)点である。話は良くても、主役が一人の原作は採り上げられないのである。これは、主役以外の子の親の批判があるからで、それを避けるために、場面毎に主役を演じる子を変えるとか、同時に何人もの主役を一緒に舞台に上げる(たとえば、桃太郎が3人、犬が3匹というように)という方法が採られている。また、衣装係や照明係では納得せず、全員舞台の上に乗ってセリフを言うことを要求されることも、実施を難しくしている一因である。
第二に、練習時間の確保が困難な点である。それでなくても教科書をこなすための時間が不足気味の中で、練習時間を確保するには、教科書の勉強の時間を削るしかないのが現状である。それを変えるには、教科書の内容に余裕があることと、教科書だけが学習では無いという考えが広く浸透しない限りは無理であろう。
ただ、そんな中でも実施している学校もある。そのための脚本集などたくさんでているが、ここでは、そんな中からいくつかの作品を参考としてあげてみようと思う。資料としてかなり古いものもあるために、こうした場合最低限必要な事項であるべき原作者の名前がわからないものが多数あって、申し訳なく思っている。今後も調査してわかり次第書き込んでいくことを約束して、今はお許し頂きたい。
上演時間は約20分〜30分。出演児童1学年(70〜90人)