世界自然遺産 屋久島 3日間

2010年12月5日(日)

起床(0550)宮之浦・旅館発(0750)屋久杉ランド(0847~0945)紀元杉(1010~1020)安房・昼食(1111~1200)大川の滝(1244~1305)西部林道(1315~1325)千尋の滝(1401~1425)リサーチパーク(1435~1515)永田いなか浜(1615~1640)東シナ海展望台(1650~1705)宮之浦・旅館着(1729)

2-1 朝

起床(0550)朝食(0650)

 夕べは早く寝たので、noriは4時前に目が覚めてしまった。テレビを付けてみると天気予報の中で、添乗員さんが言っていた、桜島の風予報というのを見た。これで洗濯などの計画も立てるらしい。確かに地元の人にとっては、大変なことのようだ。
 そのテレビだが、地デジ対応のものだった。補助金が出ている間に買い換えたのだろうけれども、まだまだ対応が遅れている地域の方が多いように思う。このこの島がかなり潤っていることが垣間見てとれた。
 それから6時近くなったので、junを起こして部屋の風呂に入った。大浴場は、6時からと言うこともあるし、温泉でもないのだからここでもいいだろうというのが二人の結論だ。
 それから、やや早めに朝食会場へ行く。途中、フロント前にあるパソコンを使わせてもらった。朝食は、いつものことなのだが、一番乗りで食べさせてもらった。

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2-2 宮之浦・旅館発(0750)

 出かける頃ちょうど川向こうの山頂から太陽が顔を見せた。今日が観光のメーンの日、といっても実質観光は今日だけといってもいいだろう。前後の日は単に行き帰りという外国旅行並みの日程だ。
 今日はガイドさんが付く。このガイドさんかなりの勉強家で、地元の人ではないけれども、非常に詳しくいろいろなことを説明してくれた。切り立った岩の山や、紅葉がちらほら見られる山などのことや、屋久杉のことなど。中でも、屋久杉の生態など、ここで教えていただいたことが次のヤクスギランドの観光に非常に役に立った。

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2-3 ヤクスギランド(0847~0945)

 ヤクスギランドは安房川の支流、荒川の上流にある自然休養林。林内はいくつものコースに分かれ、ヤクスギ林帯を代表するスギ、ツガ、モミなどの大木が見られる。
 ただし、世界自然遺産地域には入っていない。

2-3-1 入り口(0847)

 くねくねした山道を登っていくとようやく入り口に着く。そこには小さな小屋と、案内図があった。
 中を散策するのに、我々は50分コースを行くことになった。歩けない人は途中から戻る30分でもよいということだったが、全員が50分のコースを選んだ。
入り口を入ると整備された木道が続いていた。それをどんどん下っていく。

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2-3-2 くぐり栂(0855)

 歩き始めてすぐ鬱そうとした森の中に入る。右を見ても左を見ても大きな木が並んでいた。と、道をふさぐように倒れている太い木があった。
 これが「くぐりつが」。ちょうどよく人の高さくらいで倒れているので、そこをくぐり抜けて通ることができる。だからくぐり栂。何とも簡単な名の付け方だが、分かりやすいといえば分かりやすい。
 更に行くと苔むした倒木なども見られた。

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2-3-3 林泉橋 (0859)

 橋を渡る。下の川はゴツゴツした岩の間を流れる。その岩に所々小さな丸い穴が開いている。甌穴(おうけつ)といい、これは、川の渦巻き状の流れにより、石や砂が同じところを回り、川底の岩盤と接触して侵食されてできた丸い穴のこと。水も綺麗だったが、こちらの方が興味深かった。

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2-3-4 荒川歩道

 昔の屋久杉伐採の様子を記した看板があった。これだけの大きな木を人力だけで伐採するのだから、さぞや大変だったろう。これらは主に屋根の材料として使われたそうだ。
 また、利用されなかった木や幹は、そのまま放置され、土埋木として今も残されている。これらが屋久杉の工芸品に姿を変えている。
 面白かったのは、自分を守るために、他に木に巻き付いて倒れないようにしているという木。確かに隣の木の幹に深く食い込んでいる。しかし、巻かれた方はたまらないなあ。

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2-3-5 仏陀杉歩道

 荒川橋を渡らずに左に曲がると50分コースの折り返し地点になる。そちらへは、本格的な装備をしていないと行けないとのことだが、この吊り橋を見ただけで行く気にはならない。
 この道にもやはり根っこがメチャクチャに絡みついている木とか、倒れて大きな穴が開いている木など、その歴史を感じさせる木が見られた。しかもそれらは苔でびっしりと覆われていたので、辺り一面緑色に染まって見えた。
 やがて階段を少し上ると仏陀杉に到着した。
 木の瘤が仏陀が瞑想している姿に似ているところからこう名付けたらしい。
 そう言われればそう見えないこともない。
 仏陀杉から少し下がったところに、行儀よく並んで立っている4本の木がある。これは、倒木上更新ということ。つまりは倒れた木の上に新しい木が育ったのだ。だからまっすぐの線の上に行儀よく並んでいるように立っているのだという。
他にも倒れた木が次から次に現れて、鬱蒼とした森深くに迷い込んだ気分だ。

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2-3-6 双子杉(0934)

 大きなヒメシャラの木は、自分でその体を支えられなくて隣の木に完全に巻き付いていたやはり図々しい様相だった。
 そこからすぐの所に双子杉が立っている。これは切株更新で、切り倒された木の上に種子が落ちて新しい木が育ったという物。先ほどの倒木上更新とともに、屋久島特有の現象とされる。大きさも同じくらいなので双子の様(よう)と名付けられた。

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2-3-7 くぐり杉(0936)

 これまた大きな木だ。人が悠々と通ることができる。自然はとてつもない物を生み出す物だ。
 その先には、鹿の害がどのくらいの物かを調査するための囲いがあったりもした。
 この頃から、ガイドさんがしきりに先を急ぐようにせかし始めた。時間が少し押し気味のようだ。

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2-3-8 清涼橋(0688)

 最後の橋だ。止まることなく先を急いだ。吊り橋なので揺れはしたが、板が隙間無く並べられているので、下が見えることもなく、安心して渡ることができた。
 下を流れる川の水は澄んでいて綺麗だった。

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2-3-9 出口 (0955)

 出口は入ったところとは別の所だ。観光路はグルリと一回りできるように造られている。
 それからトイレに行ったが、相変わらず女性の方は長い列ができていた。ここは珍しく有料だ。100円くらい入れて下さいと無人の箱が置かれていた。
 協力金という名目だ。確かに山などのトイレは最近問題視されてきているが、こればっかりは無いと困る物だから,何とか充実させてほしい。
帰りのバスの中で、入り口付近で見かけた「りんごつばき」の実を見せてもらった。その大きさにびっくりした。

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2-4 紀元杉(1010~1020)

 バスはすぐに紀元杉に着いた。
頂部は枯れているが、推定樹齢は3千年、安房林道沿いにある。観光バスも通る道路のすぐ下にあって、最も大勢の人が訪れる。
 見学時間は当初10分ということだったが、短すぎるということで15分に延ばされた。
 その短い時間に団体写真を撮った。時間がないのに、と思ったが、すぐ目の前だったのでそれほどの時間は取らなかった。
 すぐに木の所へ行くとグルリと1周するように道が付けられていて、ほんの2,3分で回りきってしまった。立ち止まって写真を撮ったりしたが、そう広い道ではないので、すぐに次の人に譲らねばならず、結局当初の予定通り10分で終了してしまった。
 ただ、写真といってもあまりにも大きすぎて、全体が写真には収まりきれない。近くに行くと木の壁を撮っているようなものだった。

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2-5 屋久島の猿 (1052~1258)

 昼食場所へ向かう途中に猿が現れた。バスを止めてくれたのでじっくりと見ることができた。こうして毛繕いなどしている姿は可愛いものだ。悪さをしなければ結構愛される動物なのになあ。
 少し行くとまたいたのでまた写真ストップ。バスなど全く無視して自分たちの生活をしている。近づいてはいけないということなので、お互いの距離をうまく取っているのかも知れない。

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2-6 安房・昼食(1111~1200)

 屋久島は飛び魚の漁で日本一、ということで、昼食は「トビウオの姿揚げ御前」。
 トビウオは以前飛んでいる姿を直に見たことがあるが、出てきたそのトビウオは全くその時の姿そのままでお膳の上に乗っている。味は淡泊で癖が無く、食べやすかった。
 下が土産物屋になっているので、屋久杉で作った亀を購入した。旅館よりも50円安かった。ついでに職場やらあちこちへの土産もここで購入した。
 それからバスに乗って、大きなポインセチアに驚いたりしながら次の地点へ向かった。

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2-7 大川の滝(1244~1305)

 日本の滝100選にも選ばれているこの滝は、里にある滝としては一番大きく、88mの落差がある。
 確かに豪快な感じのする滝だ。すぐ近くまでいって写真を撮っていると、滝壺付近まで行けますというので、当然行ってみた。
 すごい迫力だった。マイナスイオンを体いっぱいに浴びてきた。

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2-8 西部林道(1315~1325)名称未設定 2.gif252

 バスを降りるとヤクザルやヤクシカがいたので、観光よりもまずそちらの撮影タイムとなってしまった。シカはおしりが特徴だというのだが、すぐに藪の中に入ってしまったので、分からなかった。
 さて、ここは屋久島で唯一、海岸線から世界自然遺産に指定されている地域。一時、大型観光バスが通れるように林道を拡張する工事が計画されたが、反対運動が高まり白紙撤回されたため、その世界遺産地域の手前でバスを降りることになる。
 少し歩いてその地域に踏み込んでみたが、両側に森が広がるばかりで特に見るべきものもないようなので、ここからすぐに引き返すことになる。
 それでも我が家にとっては252個目の貴重な世界遺産地域なので記念撮影は忘れない。

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2-9 千尋の滝(1401~1425)

 千尋の滝は落差約60mの滝です。滝の左側には250m×350mに達する、巨大な花崗岩の一枚岩がある。雨が降るとここからも水が流れ落ちて滝を作るため、その幅が千尋もありそうだと言うことから名が付いた。
 ただその時期でないと、今回はそれに当たるのだが、あまり迫力とかいうものはなく、ただ普通の滝だ。
 駐車場にジューススタンドがあった。気が向いたときだけ出ているというミニバンの店だが、この日は出ていたので早速サトウキビジュースとボンタンジュースを頂いた。目の前で絞ってくれるまさに生のジュースだ。特に美味しいということはなく経験のために飲んだようなものだった。ついでにnoriは隣の店でよもぎ餅を買ってきた。これも数量に限りがあるというので急いで行って手に入れた。どうも我が家はこれだけ、ここだけ、という言葉に弱い。このよもぎ餅は、帰宅してから食べたのだが、2日たってもまだ柔らかくそのまま食べられた。
 更にjunはシュークリームを買い込んだ。黒糖クリームというのに惹かれて買った。あまり甘くない甘さでおいしかった。
 それから展望台へ急ぐ。あと5分しか時間がなかったが、階段を物ともせずに走っていった。そこからは先ほどの千尋の滝がやや上の方から見下ろすように見えた。反対側には海岸線も見えた。

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2-10 リサーチパーク(1435~1515)

 要するに植物園。といってもここへ来た目的はまたもや滝を見ること。
 園内を少し奥に行くと展望台がある。そこから見えるのが、トローキの滝。鯛之川の河口にあり、海に直接落ちるという全国でも珍しい滝。従って、潮の干満によって滝の落差も変わってくる。説明には6~8mとなっていた。その滝壺は入江になっていて、海水魚がたくさん入ってきたり、たまにイルカが入ってくることもあるそうだ。
 それからゆっくりと園内の植物を楽しんだ。ポインセチアやゴクラクチョウカ、つわぶき、パパイヤ、千両、バナナ、ハイビスカスや、ブーゲンビリアなど夏が訪れているような種類の豊富さだった。
 ただ我々は滝を見るのを主にしていたためにその往復の道しか通らなかったが、実際の園はもっともっと広いらしい。

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2-11 永田いなか浜(1615~1640)

 予定では明日行くことになっていたのだが、せっかく近くまで行くのだからと言うことで、急遽この日に行くことになった。これもガイドさんが急がせていた理由の一つになっていた。
 ここは、ラムサール条約に登録されており、800mほどの白砂の美しい砂浜が続き、絶滅の危機に瀕しているウミガメの日本一の産卵地でもある所。といっても、産卵は5月下旬~7月、孵化は8~9月ということなので、今の時期には全く見られない。ガイドさんがウミガメの卵の殻を見つけて見せてくれた。鶏のそれとは違い、かなり薄いものだった。
 確かに綺麗な砂浜だった。しばしそこで波を相手に遊んだり石を拾ったりした。
 水平線の方には、永良部島、黒島、硫黄島、竹島がはっきりと見ることができた
そのうち陽が傾いてきて、海面にその光を投影するようになってきた。

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2-12 東シナ海展望台(1650~1705)

 そろそろ日が落ちるというので、場所を移動して、夕日が綺麗に見えるという場所まで行った。
東シナ海を一望できる所に展望台があるだけだが、目の前の島々が綺麗に並んでいる様子も分かる。
 が、この頃から徐々に雲が厚みを増してきた。あと少し待って、の願いもむなしく、あと少しというところで太陽は雲の中に入ってしまった。
 ただ、全面雲に覆われてしまったわけではないので、漏れた光に照らされて輝く雲は綺麗だった。
 ということで、あきらめて早めに出発して宿へ向かうこととなった。

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2-13 宮之浦・旅館着(1729)

 夕食(1900~)

 昨日と同様に、部屋に入って荷物を置くとすぐに大浴場へと行った。人が少なくて思いっきり足を伸ばすことができた。
 夕食は昨日よりは質素な感じもしたが、すべてが酒の肴になる。焼酎は昨日の残りで済んだ。もちろん昨日の残りの焼酎も宴会場に持って行った。係の人はわかっていて、すぐにお湯を持ってきてくれた。

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