6、9月26日(日)
起床(0500)ホテル発(0830)ヴァッハウ渓谷(0945頃~)メルク修道院(1112~1250)昼食(1255~1415)ウイーン自由散策(1525~1755)夕食(1808~1910)コンサート(1935~2205)ホテル着(2220)
6-4-1 自由散策
一時小降りになった雨が、ややまた強くなってきた。風も強く寒い。
バスを降りてからガイドさんとの待ち合わせ時間までまだあるというので、それまでフリータイムになった。
聖レオポルドと聖コロマンの像のある門を通り、更に東ファサードから入る。アーチ型入口の上の像は、使徒ペテロとパウロ。交差している二つの鍵は、この修道院の紋章。屋根の上に見えるのがメルクの十字架。
高位聖職者の庭という中庭で写真を撮ったりする。
その美しい黄色の建物が中庭を囲むように造られている。このファサードの中央部分に青色で絵が描かれているが、これは今までのフレスコ画が風化して修復不可能になったため、新しく1988年に作成されたものだとか。近代的な作風ではあるけれども内容はバロック風で伝統的な要素を取り入れたものだそうだ。東側の絵は正義、西側は賢明、南側は勇気、北側は節度を表現しているとのことだが、正直よく分からない。
この庭の中央に噴水がある。そこが集合場所だ。ところが、5分ほど前になっても誰もいない。ウイーンでのことがあるので、またかと思いながらしばらくウロウロする。同じようにウロウロしている人と共に、集合場所が違うのかとあっちこっち添乗員を捜す。ところが時刻ぴったりに添乗員が現れる。寒いのでインフォメーションにいたとのこと。大半の人が一緒だった。その人たちはどこにも行かずにそこにいたらしい。しかし、普通は添乗員だけは5分くらい前には来ているだろうが・・・。
6-4-2-5 広間(マーブルホール)
王族と貴賓のための大食堂として使用された部屋。ドア以外はすべて本物の大理石で造られている。壁は化粧漆喰大理石、彫刻は、木で彫った物を金箔で覆ったもの。
また、オーケストラボックスも造られていて、優雅な食事の様子が思い描かれる。
天井はすべてフレスコ画で覆われている。だまし絵になって立体感を出している。これは、ポール・トロガーにより1732年に描かれた。暗闇から人々を近代化と文化の先に導く教え、というのがテーマというが、分かるような分からぬような・・・。
大理石は重いというので、柱でそれを支えている男が顔をしかめていてつらそう。
床の中央に暖房がある。下から暖まるようになっているそうだ。つまりは床暖房といったところか。
6-4-2-6 テラス
広間と図書室をつないでいる外のテラスに出る。風が強く寒いが、それ以上に景観がいい。ドナウ川とヴァッハウ渓谷、そこに広がる町が素晴らしい。
左の方に水門が見えるが、水力発電所とのこと。途中休憩したクレムスからそこまでが36kmにわたるヴァッハウ渓谷で、そこから先は違うのだそうだ。
反対側には、65mの尖塔を持つ教会がある。1738年の火災の後に、ヨセフ・ムンゲナストによって再建されたもの。塔の中央には復活したイエスがおり、その下にはペテロとパウロの像がある。正面の教会のプレートには「PETRO(聖ペテロ)とPAULO(聖パウロ)」の名が見られ、彼らに奉納されたものであることが伺える。
昨年修復が終わったばかりだということで、色が綺麗だった。
右を見ても左を見ても、どちらを見ても感動ものだ。お天気がよければもっとゆっくりとしたいところだった。
6-4-2-7 大図書室
テラスから重い扉を開けて中に入るとそこは図書室。
9世紀に書かれた手書きの写本や15世紀以前の初期の印刷本などの貴重な書物も保存されており,約10万冊の蔵書を持つ。こうした図書室が12あり、今我々がいる大きな図書室には、1万6千冊の図書が並んでいる。公開されているのは、ここと隣の小さな図書室だけで、後は非公開。
とにかく本で部屋が埋め尽くされている。2階部分にもびっしりと本が並んでいる。コロネリという人の作ったこの1対の地球儀・天球儀も置かれていた。ちなみにコロネリは生涯にわたり多くの地図・地球儀を作成しており、その作品はオーストリア国立図書館をはじめ、ヨーロッパのいくつかの図書館・教会図書館にも保存されている。
ほかに望遠鏡もあった。これは、ここに神学関係だけではなく科学などの蔵書もあるためとか。
書架と見える一部分が実は窓というのもあった。よく見ると分かるのだが、そこをあけると窓になっていて明かりを取り入れることができる。
ここの天井画も素晴らしいが、やはりポール・トロガーによる。
6-4-2-9 教会内部
外へ出る方の螺旋階段を下っていく。カタツムリの殻の中を歩いているようだ。すると教会に出る。
ここは自由見学。バロックなので、装飾が派手派手.。
主祭壇の材料は,やはり大理石。祭壇を囲むのは、ピンク色にも見える大理石の柱。それと木に金箔を施した装飾。この教会全体で使用されている金は4tだそうだ。
主祭壇は「聖ペテロと聖パウロが殉教を前に互いに別れを告げる像」。周りにはいくつかの礼拝堂もあるが、それらもフレスコ画で彩られている。
天井のフレスコ画は、ヨハン・ミヒャエル・ロットマイヤの手により1722年完成。「聖ベネディクトの天への道」だそうだ。
3553本のパイプオルガンは1970年に新しく作られたそうだ。
それらすべてが見事すぎて、目がチカチカし、焦点が定まらないまま写真を撮って過ごした。